「夜勤って、やっぱり眠いんでしょ?」
よく聞かれます。でも実際にやってみると、そこが一番きついわけではないんです。
私は高卒で製造業に入り、現役14年。6社を経験し、そのうち2年間はトヨタ系列の工場でオール夜勤でした。5社目では約30人の班をまとめる班長もしています。

夜勤をやった人なら「わかる」とうなずけるものを集めました。これから夜勤に入る人は、心の準備に使ってください。
夜勤中は、意外と眠くない
まずここから。いちばん誤解されているところです。
こうじ班長夜勤中が眠いってことは、そこまでないんですよ
家で徹夜していたときの感覚とは全然違います
① 工場の中は、昼間と変わらないくらい明るい
夜中の2時でも3時でも、照明はフル点灯です。外が真っ暗でも、中にいると昼間と区別がつきません。
そのうえライン作業で体も動かします。家で座って徹夜するのとは、まったく別物です。
② 夜中の0時に、普通に腹が減る
夜勤の「昼食」は真夜中です。0時前後に休憩があって、そこでちゃんとお腹が空きます。体が夜勤に慣れてくると、その時間に「飯だ」と感じるようになります。
食堂がある工場ならいいのですが、ないと深夜に弁当かカップ麺の二択です。「また今日もカップ麺か」は、経験者なら絶対うなずくところだと思います。
③ 帰りの道が、びっくりするほど空いている
夜勤明けの帰宅は朝6〜7時ごろ。世の中は通勤ラッシュが始まる時間ですが、工場から家へは逆方向なので、すいすい帰れます。
「行きは渋滞でイライラするのに、帰りは爽快」。これは夜勤の数少ない役得です。
昼勤がいないと、職場の空気が変わる
夜勤の独特さは、ここにもあります。
④ 上役が少なくて、ルールがゆるくなる



昼勤者がいないから、案外ルールがルーズになるんですよね
悪い意味ではなくて、ちょっと気が抜きやすい
監視されている感じが薄いので、もくもく作業したい人には向いています。昼勤なら注意されるような小さいことが、夜勤だとスルーされることもあります。
⑤ 夜勤メンバーだけの、妙な連帯感が生まれる
「夜中に一緒に働いている」という感覚は、昼勤とは違うものがあります。深夜の休憩室でくだらない話をしたり、終わってから一緒に朝メシを食べに行ったり。
夜勤メンバーだけの小さなコミュニティが、自然にできあがります。
⑥ そして「夜勤 VS 昼勤」が始まる
ここは、あるあるの中でも特に「わかる」と言われるところです。



夜勤と昼勤、マジで仲が悪いことが多いです
これは本当に、どこの工場でもありますね
お互いに相手が働いているところを見ていない。だから想像で判断することになります。
| 引き継ぎで出る言葉 | 言っている側の気持ち |
|---|---|
| 「昼勤、この作業やり残してる」 | こっちが尻拭いしている |
| 「夜勤、ここ雑にやってた」 | 見てないと思って手を抜いている |
| 「うちのほうが大変だ」 | 自分たちの苦労を分かってほしい |
どちらも悪くありません。お互いの現場を見ていないだけです。
引き継ぎを紙に残す、申し送りを一言足す。それだけで空気はかなり変わります。
ただ、それをやる人がいないと、対立は勝手に育っていきます。
本当にきついのは、夜勤が終わってから
ここが本題です。夜勤経験者がいちばん共感するのは、この先だと思います。
⑦ 帰ってすぐ寝ると、詰む
夜勤明けで疲れて帰宅。倒れるように寝ると、夕方16〜17時に目が覚めます。
そこからが地獄です。夜になっても眠れない。寝不足のまま次の夜勤へ。この流れに一度入ると、なかなか抜け出せません。



夜勤明けで眠くても、ちょっと辛抱する必要があります
わかってるのに、ついやってしまうのが夜勤あるあるですね
- 帰ってすぐ寝る → 夕方に起きる → 夜眠れない → 寝不足で出社
- 少し辛抱して昼過ぎまで起きていると、そこから夜まで続けて眠れる
- 「今日は絶対すぐ寝ない」と思っても、ソファに座った瞬間に落ちる
この寝方の問題は、コツを知っているかどうかでかなり変わります。詳しくはこちらにまとめました。


⑧ 明け休みの「寝るか、起きているか」問題
夜勤明けの翌日が休みのとき、毎回この選択に迫られます。
しっかり寝て体を回復させるか。それとも睡眠を削って、休日を長く使うか。
寝てしまうと実質的に休みが半日〜1日消えます。「せっかくの休みが寝て終わった」という虚しさは、経験者なら全員わかるはずです。かといって無理に起きていれば、翌日がしんどい。
正解がないまま、毎回悩みます。
⑨ 夜勤明けの朝メシが、やたらうまい
朝7〜8時、同僚とマクドナルドやファミレスのモーニングへ。夜通し働いたあとに食べる朝食には、独特の達成感があります。
これを楽しみに夜勤を乗り切っている人も、少なくありません。
細かいけど、たぶん全員わかるやつ
- 夜勤明けに外へ出ると「世界が動いてる」と感じる
- 夜勤明けの青空が、異様にきれいに見える
- 休憩中に食べるカップ麺が、妙にうまい
- 時間の流れ方が独特(早く感じる人と遅く感じる人で真っ二つ)
- 昼勤者の「夜勤って大変そう」が、なぜか少し引っかかる
- 夜勤手当を計算しながら作業すると、やる気が出る
- 帰宅して、家族が元気に動いているのを見て「俺も寝たい…」となる
よくある質問
- 工場の夜勤って、本当に眠くないんですか?
-
作業中は意外と眠くない、という人が多いです。工場の中は明るく、体も動かしているので、家で徹夜するのとは感覚が違います。
ただし慣れるまでの最初の数週間は、眠気を感じやすいです。
- 夜勤明けの睡眠は、どう取るのがいいですか?
-
帰宅してすぐ長時間寝ると、夕方に目が覚めて夜眠れなくなります。少し辛抱して昼過ぎまで起きているか、仮眠を2〜3時間に留めてから夜にしっかり寝るのがコツです。
寝つきをよくする工夫(風呂・遮光・帰り道のサングラス)については、別記事で詳しく書いています。
- 夜勤と昼勤で、本当に仲が悪くなるんですか?
-
正直に言うと、仲が悪いことは多いです。私が見てきた工場でも、たいていどこかに「夜勤 VS 昼勤」の空気がありました。
原因ははっきりしていて、お互いに相手が働いているところを見ていないからです。引き継ぎを紙に残す、申し送りを一言添える。それだけでかなり違います。
- 夜勤は慣れますか?
-
人によりますが、やり方を知っていれば1〜2週間で体が慣れてくる印象です。「3か月かかる」と言われることもありますが、それは工夫を知らないまま気合いで乗り切ろうとした場合だと思います。
慣れると「夜勤のほうがいい」という人も結構います。
- 夜勤の何が一番きついですか?
-
作業中の眠気ではありません。明けの睡眠と、休日の使い方です。
寝てしまえば休みが消え、起きていれば翌日がしんどい。この繰り返しがじわじわ効いてきます。
もう一つ挙げるなら、家族と生活時間がすれ違うことです。独身なら気になりませんが、家庭があると重くなります。
まとめ:やった人にしか分からない世界がある
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
- 夜勤中は意外と眠くない。明るいし、体を動かしているから
- 本当にきついのは明けの睡眠と、消えていく休日
- 夜勤 VS 昼勤は、たいていの工場にある。仲が悪いことも多い
- 原因はお互いの現場を見ていないこと。引き継ぎ次第で変わる
- 連帯感と朝メシは、夜勤の役得



2年やって思うのは、合う人には本当に合う働き方だということです
ただ、合わないまま続けるのはしんどいですね
手当がついて、道は空いていて、昼間に用事も済ませられる。夜勤を選んで続けている人はたくさんいます。
一方で、家族との時間がすれ違って「割に合わない」と感じ始める人もいます。そう思い始めているなら、こちらもどうぞ。











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